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UX・UIデザインのノウハウや定義とは

DXを推進するなかで「UXデザイン」「UIデザイン」など似た言葉に困惑してしまう人は少なくありません。
端的にいえば、UXデザインは商品やサービスの体験全体を意匠計画・設計することを指し、UIデザインはユーザーが操作する要素に関する設計を指します。
ここでは、それぞれのノウハウや定義について解説します。
プロダクトやサービスの、バリューチェーンの見直しや計画の振り返りおける言語化にぜひ役立ててください。

UXデザインのノウハウ

UXはユーザーエクスペリエンスの略であり、UXデザインはその名の通り、プロダクトやサービスにおいてユーザーが触れる全ての顧客体験を設計することです。
ここでは、UXデザインに役立つノウハウやフレームワークを目的やシチュエーションに合わせて紹介します。

AEIOUフレームワーク

AEIOUフレームワークとは、人の行動記録となる5つの項目の頭文字を取ったフレームワークです。
5つの項目は、次の通りです。

これらの5つの要素に、想定される情報を当てはめることにより、ユーザーに適したデザインにすることができます。

ペルソナ

マーケティングでよく耳にするペルソナ(persona)は、プロダクトやサービスのターゲットとなる架空の人物を具体的に想定することです。
内容は、年齢や性別、職業や年収、家族構成やライフスタイルなど詳細まで情報を落とし込んでいきます。
ユーザー視点の精度を高めることができるほか、チーム内でも人物像のイメージが共有しやすくなります。

共感マップ

共感マップは、ユーザーの「発言」「行動」「思考」「感覚」といった4つの象限に区切ったシートのことです。
視覚的にユーザーの情報を落とし込むことで、ユーザーの考えが理解しやすくなるため、ニーズにマッチしたデザインを行うことが可能となります。
人から相談された際、共感して相手の考えが手に取るように分かると、相談者が欲しがっている対応がしやすくなることをイメージすると理解しやすいでしょう。

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが商品やサービスを購入するまでのプロセスをマップ化するフレームワークです。
行動パターンや思考・感情までも分析できるため、最適なアプローチ方法を生み出すことができます。
ユーザーの行動を俯瞰で確認するのに役立つといえるでしょう。

人間中心設計

人間中心設計とは、その言葉の通り人間のことを理解し、使いやすい商品やサービスを作るという考え方です。
ユーザーの使い勝手を考慮したモノづくりは当然のことと思われますが、制作者の主観や趣味などを盛り込んでしまうことは往々にして起こりがちです。
人間中心設計を意識することで、ユーザビリティの高いサービス作りに役立てることができます。

デザイン思考

デザイン思考とは、設計を行う思考プロセスを活用して課題解決を図る考え方です。
共感や満足度、問題の定義や課題解決の明確化に役立ちます。
固定概念や前例にも捉われないことからイノベーションが創出しやすく「とりあえず試してみる」というスタンスなので、アイデアを出すことが習慣化されるのもメリットです。

UXの5段階モデル

UXの5段階モデルとは、UXデザインの工程を「戦略」「要件」「構造」「骨格」「表層」の5段階の要素で表したものです。
それぞれに考えるのではなく、上下の関係に一貫性を持たせることを目的としているため、アウトプットの精度を高められます。
顧客体験を設計するUXデザインにおいて、欠かすことができない思考法といえるでしょう。

リーンキャンバス

リーンキャンバスとは、スタートアップのビジネスモデルを可視化するツールです。
起業する際にも用いられますが、UXデザインでも役立てることが可能です。
その構造は非常にシンプルであり、短時間で作成できるほか、ブラッシュアップしやすいこともメリットであるといえるでしょう。

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスの構造を整理するのに役立つフレームワークです。
複雑な要素が多いビジネスを設計図のような状態にするため、分かりやすく可視化することができます。
新規の設計はもちろん、既存デザインの改修にも活用できるでしょう。

バリュープロポジションキャンバス

バリュープロポジションキャンバスとは、提供するサービスとユーザーのニーズとのズレを解消するのに役立つフレームワークです。
1枚の紙に提供側の価値とユーザーのニーズを書き出すことで関係性を可視化でき、無駄を省いてより洗練されたものをデザインできるようになります。
ペルソナと組み合わせて活用することで、精度を高めることもできることでしょう。

サービスブループリント

サービスブループリントとは、プロダクトやサービスなどユーザーに提供されるプロセスを可視化するツールです。
すべての関係者とプロセスを含めて作成するため、全体の把握や情報の共有に役立ちます。

ストーリーボード

ストーリーボードとは、画像やイラストを使ってユーザーが体験するストーリーを可視化する手法です。
文字の羅列ではなく視覚的に情報がまとめられるため、サービスを通じてユーザーが得られる価値が分かりやすいメリットがあります。
映画やマンガの絵コンテをイメージすると理解しやすいでしょう。

LATCH

LATCHは、膨大な情報を整理する際の分類方法の頭文字を取ったフレームワークです。
それぞれの頭文字は以下の単語です。

基準を設けて情報を部類することで、効率性や生産性を向上させることに役立ちます。

ヒューリスティック分析

ヒューリスティック分析とは、専門家がプロダクトやサービスの設計図を確認、実際に利用して評価するものです。
分析を行ううえで特定のツールを使用するわけではないためコスパが良く、開発途中の段階でも実施することができるため、効率性が高いのも特徴的です。
分析項目は多岐に渡りますが、ユーザビリティ向上に役立てることができるでしょう。

UXデザインのノウハウまとめ

UXデザインは、提供するプロダクトやサービス全体の設計を行うものです。
フレームワークや思考法など多くの種類がありますが、特定のものを使用すればいいというわけではありません。
状況に応じて使い分けるのはもちろん、複数組み合わせることもできるでしょう。
よりユーザーに想定通りに動いてもらうには、全体の設計だけではなく優れたUIが不可欠です。
UIデザインについては、以降で確認していきましょう。

UIデザインのノウハウ

UIとは、ユーザーインタフェースの略であり、アプリやサービスにおけるユーザーの接点のことです。
このことから分かるように、UIデザインはUIを設計することであり、ユーザーがスムーズで快適に操作できるものを設計することを指します。
ここでは、UIデザインのノウハウや役立つフレームワークについて紹介します。

マイクロコピー

マイクロコピーとは、Webサイトのボタン回りや通知メッセージなどユーザーが目にする文言のことを指します。
言葉一つでユーザーの行動喚起に大きく影響を与えるため、決して軽視できないものです。
コンバージョン率をはじめユーザビリティの向上にも役立つため、身に付けたいスキルであるといえるでしょう。

デザインのトレンドを知る

UIデザインを行う際、トレンドを知ることも非常に重要です。
たとえば、Webサイトで現代と10~20年前のデザインではトレンドや使われている技術は大きく異なります。
「古臭いデザインで引き込まれない」「情報をシェアできなくて使いにくい」など感じられてしまえば、それだけで離脱率が上がってしまいます。
トレンドは日々変化しているので、時代に取り残されないよう常にアップデートしていきましょう。

マルチデバイスデザイン

マルチデバイスデザインは、ブラウザの幅に合わせて表示を調整するWebサイト構築の技術です。
ユーザーが快適に閲覧できるのはもちろん、デバイスごとにデザインを用意するよりもコストが抑えられる特徴があります。

近接による情報整理

デザインを行う際、法則を使って情報整理することによって理解度を深めることが可能です。
近接による情報整理とは、関連する情報を近くに置くことで(グループ化)、視覚的に理解しやすくなる法則です。
UIデザインだけではなく、資料作成でも役立つので覚えておくと良いでしょう。

整列による視線誘導

整列による視線誘導は、要素を整列させて統一感を持たせる手法です。
文字列や画像が散らばっていると、視覚的にどこを見れば分かりにくく情報が入ってきません。
視線をスムーズに運ばせるための整理は重要なので、意識して作成するようにしましょう。

反復による視認性・可読性UP

反復は、同じ要素を繰り返し使用することで、ユーザーの視認性や可読性をアップさせる手法です。
一貫性のある反復デザインは読みやすく、記憶定着にも役立ちます。
逆に反復がなく統一感がないと、ユーザーにはストレスを与えてしまうので注意しましょう。

対比により伝えたいものを強調

対比を活用することで、伝えたいものを強調することができます。
文章において、太字や罫線、マーカーなどで協調されていると目に入りやすいものです。
一工夫するだけで、ユーザーからの印象や伝わり方は大きく変わるため意識するようにしましょう。

UX・UIデザインでユーザビリティを高めよう

UX・UIデザインはそれぞれ定義が異なり、ノウハウやフレームワークの種類も多岐に渡ります。
いずれもユーザビリティの向上に役立つという共通点もあり、突き詰めていけば提供するサービスの利益にも繋がります。
非常に重要な役割を担っていますが、専門的な要素も強く対応が難しいということもあるでしょう。
実現が難しい場合には、外注やコンサルティングの活用も視野に入れてみると良いでしょう。

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