当サイトが厳選したDXコンサル会社46社の中から、ここではIBMを詳しくご紹介します。IBMのDXコンサルの概要、得意としている分野や各分野サービス内容などをまとめています。2020年に設立された日本IBMデジタルサービス株式会社が中心となり、幅広い業界に専門性の高いDXコンサルティングを提供しています。
日本IBMデジタルサービス株式会社は、2020年7月に誕生した比較的若い会社。IBMで豊富な経験を積んだプロフェッショナルたちが結集し、企業のタイプや目標に応じた「業界変革DX」「企業変革型DX」「IT変革型DX」といった、これまでに蓄積されたIBMの豊富なノウハウとグループ会社の様々な得意分野を活用する形で、各企業の特徴に合った各種デジタルソリューションを提供しています。DX推進にあたっては、日本IBMデジタルサービス株式会社が中心となり、迅速なITソリューションの導入と堅牢な基幹システムの構築・運用を提供しています。
主に業種別で専門チームを編成しDXコンサルティングを提供している日本IBMデジタルサービス。具体的に対応している業種は、金融、保険・カード、製造業、自動車、流通・公共、地域、デジタルなど。各業界に精通したエンジニアやコンサルタントが、アプリケーションの構築や保守、基幹システムの構築や運用、技術革新推進支援、ITアウトソーシング、クラウドを活用したシステム構築など、あらゆる視点から専門性の高いコンサルティングを提供しています。
IBMが提供しているクラウドコンピューティングサービス「IBM Cloud」。Watsonを始めとするIBM独自の技術を利用できるとして、世界中のビジネス現場で注目されているシステムです。
IBM Cloudの中でもビジネス分野で特に活躍が期待できるのがWatson。IBM Watson Natural Language Classifierサービスによるリアルタイムでのトレンド把握による迅速な意思決定、IBM Watson Conversationサービスによる製品化までの時間短縮や顧客体験の創出など、多様なビジネス課題の解決につながる様々なサービスをWatsonから抽出・利用することができます。
各社からリリースされているクラウドコンピューティングシステムの中でも、特に低価格で利用できることもIBM Cloudの特徴となっています。
戦略、デザイン、テクノロジーの各分野のエキスパートが一体となり、DX推進の土台変革を支援するIBM iX。「人間中心」のアプローチで企業のデジタル戦略を定義づけし、専門知識を持つ戦略家、開発者などを力を結集して企業のデザイン戦略を支援します。
主力となる手法は徹底した顧客体験によるデザイン。Apple、Adobe、サムスンなどとのパートナーシップを活かし、顧客体験や従業員体験によるデザインに始まり、提供から最適化へと、エンドツーエンド機能を大胆に提供します。
クライアント企業においては、製品・サービスの販売、マーケティングなどにおいて、顧客のライフサイクル全体をベースにした変革を推進していくことが可能となるでしょう。
カスタマー・ジャーニー全体を考慮してパーソナライズされるマーケティングを自動化するIIBM iX。顧客データ分析、AIによるマーケティング、体験の設計などを通じ、自社に対する顧客エンゲージメントの向上を目指します。
IBMのマーケティングの土台にある発想は、常に「人中心のアプローチ」。顧客のニーズを正しく把握し、体験に取り組めるよう的確に誘導。マーケティングコンサルティングチームにおいては、マーケティングを通じた有意義な結果を創出できるよう効果的にサポートします。
AdobeやSalesforceなどのプラットフォームと連携することで、AIを仕様したマーケティング・インテリジェンスを引き出すことも可能です。
DX推進が加速する中、日本国内ではIT人材の不足が深刻化しています。人材育成が急ピッチで進められている状況ですが、並行して「いかに人が関与しないシステムを導入するか」という視点も持ち合わせながらビジネスの効率化を目指すべきでしょう。
人材不足を前提にしたアプリ開発システムにおいてIBMがソリューションとして提示するシステムが、Integrated Repository(IR)とAutomated Web Application Generator(AWAG)。IRは、設計情報を1つのリポジトリで管理するツールで、設計情報間での整合性確保やアプリ変更に伴う影響分析などを支援します。AWAGはWebアプリ自動生成ソリューションで、IRとハイブリッドさせることでクラウドネイディブ・アプリケーションの自動生成を可能とします。自動生成されたアプリはそのままプラットフォームでデプロイし、稼働確認することができます。
開発段階におけるサポートだけではなく、開発後の保守・運用サポートもIBMがチームで提供します。
現状、DX推進において多くの企業が課題として挙げているのがデジタル人材の不足。既存の技術に精通した人材が少ないことに加え、多様かつ急激に変化し続ける時代にリアルタイムで反応できる人材に至っては極めて少ないのが現状であることから、DX推進においては卓抜したデジタル人材の確保・育成が急務とされています。
人材不足に対するIBMのソリューションは、まず従業員の現状のスキルを「見える化」することからスタート。目標とするスキルとのギャップを明確にし、そのギャップを埋めるための個別具体的なデジタル学習を提案します。
システム面からのサポートとしては、IBM Garageを活用し、カスタマイズされたソリューションを単一プラットフォーム上に作成。従業員の学習コストを抑えつつ必要なDX人材育成を目指します。
DXを推進する上での大きな課題が、レガシーシステム化した既存の基幹システムの存在。そのままの状態ではDXを推進することは困難である一方、現状の業務との兼ね合いで、短期間で一気に基幹システムを入れ替えることはできません。
IBMが提供する基幹業務システムのコンサルティングにおいては、各社の既存システムを考慮した計画と設計を重視。最適な自社・他社の基幹業務アプリケーションを拡張する形で、徐々に基幹システムの設計を具体化し、実装・運用を目指します。
インドにある5つの主要空港において、国内航空会社・国際航空会社に手荷物の取り扱い・機内清掃・乗客の輸送などの地上および貨物サービスを展開しているAISATS。同社はSAP Business Oneを実装していますが、IT運用の目標として、SAPプラットフォームをクラウドに移行したいと考えていました。
AISATSがIBMクラウドを利用することで、AISATSがオンプレミスの実装時にIBMデータセンターに行った多額の投資を保持できること、期限切れとなったソフトウェアライセンスを低コストで再発行できることを提案。また、IBMクラウドはSAPインフラストラクチャーを運用するための認証されたクラウドであることや、代金の支払いは1回限りで、追加代金が発生しない全てを含んだ料金であることを提示しました。
IMBクラウドを導入したことで、AISATSはハードウェアにかかるコストやエネルギー消費、メンテナンスコストなどの削減により、従来よりも35%コストを削減することに成功しています。また、システムアクセシビリティの向上や使いやすさ、実行速度の向上によってパフォーマンスが80%向上しています。
競争の激しい自動車市場で成功するため、ホンダ パキスタンは初めてホンダ車を購入する顧客が生涯を通しての顧客となることを目指していました。長期的にホンダに価値を感じてもらうためには、購入する瞬間だけでなく、その後の修理を含めたアフターサービスの拡充が重要です。ホンダ パキスタンはパキスタン全土で38のディーラーネットワークを持っていますが、これまでメールや電話など手動でやりとりを行っていました。また、修理やサービスのためには、国外のサプライヤーに注文する必要がありますが、これらも手動で行っており、連携の遅れや在庫切れのリスクも課題となっていました。
IBMコンサルティングはホンダ パキスタンのSAP ERP導入時から信頼関係を築いていました。ホンダ パキスタンが抱える技術的・運用的な問題を解決するため、IBMコンサルティングは、IBM HANA Impact Assesmentというプロセスを提案。このプロセスによって、新しいソリューションに移行する際に技術的な障害が起きることを防ぎました。SAP S/4HANAに移行する際に、問題が起きる可能性がある箇所を特定し、現在のSAPシステムから不要なデータを削除することも可能にしています。
IBM HANA Impact Assessmentの導入によって、スペアパーツを迅速に予測することが可能となり、在庫切れのリスクを83%削減しています。また、SAP S/4HANAの目標復旧時間を95%短縮し、ビジネス中断のリスクを軽減することにも成功。顧客がホンダ パキスタンのサービスを受けている頻度や、最後に関わった時期、サービスに費した金額が明確になり、顧客エンゲージメントを分析して、エンゲージメント向上に最適なプロモーションとマーケティングができるようになっています。
エジプトの商品と国際市場を結びつけ、エジプト経済の発展に寄与してきたエジプト輸出開発銀行(EBank)。銀行業界にもデジタル化の波が押し寄せている現状に対応するために、デジタルテクノロジーを駆使して、独自のリテールバンキングビジネスを立ち上げたいと考えていました。
IBMビジネスパートナーのSumergeと協力し、 IBM Cloud Pak® for Integration、IBM Cloud Pak for Business Automation、Red Hat® Runtimes ソリューションを使用してのバンキングプラットフォームである Red Hat OpenShift®コンテナー プラットフォームを構築。この展開は、中東・アフリカで初の試みです。IBM Cloud Pak for Business Automation導入により、Ebankはデータや記録の管理を含む顧客の口座開設を自動化させています。
Red Hat OpenShift®コンテナー プラットフォームを構築することによって、Ebankは銀行間送金の高速化に成功。これまで1回の送金に4分かかっていたところ、1分間で50転送が可能となっています。また、インターネットバンキングの送金にかかる時間も従来10分かかっていたところを、2分まで短縮しました。また、これまで手動で行われていたプロセスを自動化することにより、取引のセキュリティの強化にも成功しています。