よいモノを作るためにはよいモノを見て学ぶことが近道であり、場合によっては模倣していくことも重要です。ここではUXが優れたサービス事例を紹介します。UXでお悩みの方はぜひチェックし、参考にして下さい。
世界中で利用されているInstagramは非常に優れたUX事例の1つです。
ご存知の通り画像・動画を取り扱うSNSとして多くのユーザーを抱えており、文字ベースのSNSと比して情報量や意図が整理されています。それぞれのオブジェクトが情報意図別に整理されており、人間の本質をもとにしたUI設計となっています。
また「情報を共有したい」というニーズに適応できるよう、タグ付やハッシュタグなどの機能も充実しています。それにより「Web検索するよりもインスタで調べた方がリアルな口コミや写真が見つかる」といった環境もできあがりました。飲食店や商品、レジャーやテーマパークの写真を見てさまざまな感想を持った経験がある人も多いことでしょう。
その他にも、ユーザーがよく見る情報に関連したものを優先的に表示させるといった機能も実装されており、非常にユーザビリティか高い仕様となっています。
ニンテンドーの大人気ゲーム機「Nintendo Switch」は、いつでも・どこでも・だれとでも楽しめるというUXを具現化したものです。
スマートフォンの普及とともにスマホゲームが台頭したことによって、家庭用ゲーム機の売上が落ち込む一方、ニーズを捉えたNintendo Switchは大きな成功を掴んだといえるでしょう。
TVに接続することで従来のゲーム機と同様に自宅でプレイできることはもちろん、本体に画面が付いていることでポータブルゲームとしても遊べます。コントローラーが外せるため友達や家族ともシェアできるなど、ユーザーに提供する体験は多岐に渡ります。
ソフトもパッケージ版とダウンロード版が用意されているため、ユーザー自身が状況に応じて選択できることも優れたUXであるといえるでしょう。
ビジネス向けに開発されたメッセージアプリ「Slack」も優れたUX事例として挙げられます。
リモートワークが促進されたことにより数多くのチャットツールか登場していますか、Slackでは個人間でのやり取りはもちろん、プロジェクトごとにワークスペースが作れるためスムーズな情報共有を実現してくれます。
リロード不要でSNSのように手軽に使用できるため、ビジネスメールのようにかしこまった形式もなく気軽に活用できることもポイントです。
デバイスも選ばないため、場所的・時間的制約を取り払い、コミュニケーションを活性化してくれる優秀なツールであるといえるでしょう。
ECサイトの最大手「Amazon」では、ユーザーひとりひとりに合わせた商品情報の提示や、ユーザーの過去の購買履歴からよく買うもの・定期的に買うものを抽出し表示します。
こうした機能は、オンラインショッピングをより身近にしてくれました。
また、他のECサイトを見て「詰め込み過ぎで情報が探しにくい」「何のボタンなのかよく分からない」と感じた経験がある人もいることでしょう。
その点、Amazonnでは配色や画像、文字列の位置などにも配慮が行き届いており、ストレスなく商品を探すことができることもUIが優れているといえます。
レコメンド機能が実装されており、関連商品を紹介してくれるため購買意欲や、ユーザー自らでは探せないような商品に出会える可能性もあるなどUXが充実しています。
オフィス用品を中心に幅広いアイテムを取り扱うECサイト「アスクル」は、ユーザーが探している商品を見つけやすい・比較しやすいという要素においてユーザビリティが高いです。
ECサイトのなかには、商品の魅力を伝えようとし過ぎて情報過多になっているものもありますが、アスクルでは必要最低限の情報を提示してくれているため確認がしやすいです。
日用品とは違い、普段から購入するものではないことも多く、商品の名称が分からず検索できずに困ったという経験がある人もいることでしょう。
アスクルでは、そうしたユーザーの悩みを解決するため、ジャンル検索やカテゴリからの検索など検索機能が充実しているので、ユーザーは快適に商品を見つけることが可能です。
ネットで加入までを完結できる「ライフネット生命」は、利用するユーザーを想定しスマホファーストで作成されています。
保険加入を検討する際、即決せずさまざまな商品を比較して最終決定を行う人も少なくなく、なかには数ヶ月に渡って確認する人もいます。
また、保険商品ごとにさまざまな特徴がありますが、その説明が文字列ばかりだとユーザーは理解がしにくいです。
ライフネット生命では適度にイラストが挿入されており、視覚的に理解を深めることも可能です。
そのほか、ユーザーが最終決定までの間に再訪した際、最適な情報提示を行うような機能も備わっています。
このように、手軽にスマートフォンで確認でき、商品の理解がしやすく、必要な情報を提示してくれることは非常に使い勝手が良いといえることでしょう。
人に会い、話しを聞いて学びを得ることをコンセプトにしている「ほぼ日の學校」という動画コンテンツサービスでは、細部に至るまでUX/UIデザインが徹底されています。
ユーザーが日常の中でどのようにアプリを活用するかユーザーストーリーを制作し、登録フォームをはじめとする離脱率が高まる箇所は重点的にユーザビリティを損なわないよう設計されています。
また、動画コンテンツでは口語だと聞き取れなかったり、内容が頭に入ってこなかったりすることもありますが、ほぼ日の學校では講師の言葉をテロップ表示する工夫もされておりユーザーの満足度も高いです。
会員登録型や動画コンテンツを提供しているサービスにおいて、参考になる要素が数多く盛り込まれているので要チェックです。
革新的なセルフオーダーを実現する「Shake Shack」は、徹底されたリサーチのもとUX/UIデザインがされています。
具体的に、インタビュー手法や観察法を用いたUXリサーチを実施し、注文からカウンターへ商品を取りに行くまでのあらゆる顧客体験の分析を行い、ペルソナの行動動線やタッチポイントを精査しています。
それによって、ユーザーが抱えるフラストレーションや混乱を回避し、ユーザビリティが高いサービスを実現しているのです。
コカ・コーラのスマホ用アプリ「Coke ON」は、UXデザインによって売上を増加させた良い事例です。
Coke ONは、自販機でドリンクを購入するごとにスタンプを集められるアプリであり「スタンプを集める楽しさ」「集めた結果にドリンクが貰える」といったポジティブな感情をユーザーに与えます。
他にはないお得感を感じてもらうことでユーザーから選ばれるようになり、結果として売上を増加させることに成功しています。
スタンプを集めるという行為がイベントのように感じられ、コカ・コーラのブランドイメージにもマッチしていることもポイントであるといえるでしょう。
全世代で利用率が90%以上を誇るコミュニケーションアプリである「LINE」は、ユーザーの世代を選ばず誰でも利用しやすい機能・仕様・グラフィックデザインなどによってUXデザインを高めています。
メールよりも手軽であることはもちろん、スタンプによって言葉を使わなくてもコミュニケーションが取れるといったユーザー体験を提供しています。
これによりユーザビリティを高めるだけではなく、スタンプ販売やそれに紐づけた広告など多くのビジネスチャンスも生み出しています。
料理レシピのプラットフォーム「クックパッド」では、ユーザーがリピートしたい気持ちになるようなUXデザイン設計です。
自動で毎日の料理記録を作成や、栄養管理や献立作成などユーザー層が求める効率・生産性が高まるさまざまな機能が備わっています。
また、料理レシピを提供しているサービスは数多く存在しますが、競合との差別化を図ることでブランディングにも成功しています。
そのほかにも、クックパッドでは定期的にユーザーインタビューを実施しており、実際の利用者の声から課題を発見してアップデートがされているため、快適に利用し続けられる体制が整っているといえるでしょう。
昨今のビジネスにおいてはUXデザインという考え方が重視されるようになっており、アメリカの統計においても多くの企業がビジネスにおいてUXは重要であると考えているという調査結果が出ています。
ただよい商品やサービスを作るだけに終止せず、その前後のストーリーまでをデザインすることで競合他社との差別化を実現したり、参入障壁を築くなどビジネス上のさまざまなメリットを享受することができるようになるでしょう。