物事を成功させるためには、「どうすれば失敗するのか」というケースを知っておくことが非常に重要です。ここではデータに基づく意思決定を行う「データドリブン経営」が失敗する理由やつまずきやすいポイントを紹介していきます。
勘や経験に頼る意思決定ではなくデータに基づく科学的なアプローチであるデータドリブン経営として事業転換(ピボット)を行うことができた企業では、そうでない企業と比較して1年後の売上が50倍異なるとも言われています。
出典:Think Again: The Power of Knowing What You Don't Know│ Adam Grant
IT技術の発展に伴い多くの企業がDX化に取り組んでいます。しかし2020年時点でDXに取り組んでいる企業はわずか5%に留まるなど、まだまだ浸透しきってはいません。データドリブン経営とDXは切り離せませんが、まだまだ実現には程遠い企業が多く存在しています。
出典:D Xデジタルトランスフォーメーションレポート2(中間取りまとめ)│経済産業省
さまざまな業界で人材不足が叫ばれていますが、多くの企業ではIT人材の不足も目立っています。人員リソースを割くことができなければデータ収集や可視化といった基盤技術の導入に取り組むことができません。
情報社会においては日々新たな技術やデータが飛び交っており、その時代の流れにいかにして乗れるかも重要な要素です。しかしながら既存のデータに捉われ続け、新たな情報を取り入れられない状態であればデータドリブンな経営を実現することはできません。
データは集めるだけでなく、分析しアクションに移して初めて意味があります。そのためデータをうまく利活用するための組織文化が必要不可欠になりますが、その風土が醸成されていない企業ではデータドリブン経営を成功させることは難しいでしょう。
何事も成功させるためにはゴール設定が重要です。データドリブン経営に関しては「取り入れることでどういった結果をもたらしたいのか」という目的設定を明確に持つ必要があります。ここが不明確なまま導入を図ってしまうと、データドリブン経営を成功させることはできないでしょう。
各部門におけるデータの水平展開や共有ができず、細分化されたデータが細分化されたままの状態が続くと効率的なデータドリブン経営を実現することはできません。データや情報は統合できるような環境設定を行い、組織的にデータ収集を行うメリットを最大限得られるようにしましょう。
データは集めて終わりではなく、集めたあとの分析・アクションに繋げることが重要です。しかし分析するスキルやリテラシーが不足している状況では、せっかく集めた情報を上手く使うことはできません。
データドリブン経営を実現・成功するためにはデータを集めて分析し、PDCAサイクルに繋げていくための組織文化も欠かせません。ただシステムやツールを導入するだけではなく、そういった行動に繋がるよう組織文化そのものを改革するための努力を講じる必要があります。この努力を怠ると、データドリブン経営を成功させることはできないでしょう。
データドリブン経営を成功させるためには越えなければならないハードルがいろいろとあります。困難を乗り越えるためには自社リソースの効率的な配分のほか、DXコンサルなどの外部専門家に相談するのもよいでしょう。