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リーンスタートアップとMVP開発

リーンスタートアップとは企業における方法論の一つで、コストをそれほどかけずに最低限の製品やサービスを提供し、顧客の反応を観察しながら改善を施すサイクルを繰り返すものです。「無駄がない」という意味のリーンと、「企業」を意味するスタートアップから組み合わせられたリーンスタートアップについて解説していきます。

リーンスタートアップにおける「MVP」

無駄なコストをかけずに済む

一般的に製品を開発するうえにおいて、完全な状態になるまで続けることは時間・コストの観点から難しいとされています。さらにそれらを市場に投入したとて、必ずしも成功するとは限らないためそれまでに投じたコストが無駄になるリスクも存在します。この点、無駄なく企業を行うというリーンスタートアップにおいては必要最低限の機能から製品をリリースするMVP開発を活用することで、無駄なコストをかけず市場の反応を伺うことが可能です。

無駄な時間も最小限に抑える

MVPの公開時点においては、顧客ニーズを過不足なく満たすと思われるコア機能の開発に集中することができます。そのため開発側が費やす時間を最小限に抑えられると共に、必要な開発にリソースを集中することが可能になります。反対に顧客の受けを狙って豊富な機能を搭載しようとすると、時間的にもコスト的にも限界が近づくうえに、顧客の反応が悪かった場合の要因分析が困難になってしまいます。

「ニーズ」と「ウォンツ」が把握できる

MVPによる提供サイクルを繰り返すことで、開発側は顧客ニーズをより正確に把握することが可能です。それによって改善を繰り返していき、より多くの顧客が満足できる製品を市場に投入することができる時期を早めることが実現できます。技術の進歩に加え、顧客ニーズの変化も激しい市場においてはまず市場の反応を確認しながら製品に改良を加えていくというMVP開発のアプローチは非常に有効なのです。

リーンスタートアップのデメリット

コストの高いプロダクトには向かない

MVP開発を活用すると迅速に市場へのリリースが可能になり、素早く顧客の反応を得ることができます。一方で顧客に試作品が受け入れられるか分からない状態は変わらないため、試作・開発段階でコストがかかってしまうような製品には向いていません。また、提供・改善のサイクルを繰り返すうえでもコストがかかってしまうと負担になるため、高コスト製品は向いていないといえるでしょう。

「当初の目的」に要注意

MVP開発は先行きが見通しづらいため、不確定要素が多くなります。サイクルを回していく中で当初の目的からずれてしまうこともしばしばあり、ゴールを見失ってしまうこともあるかもしれません。そのため課題を解決できるサービス・製品を顧客に提供する、という本質からずれることがないよう注意する必要があります。

リーンスタートアップのポイント

顧客が理解できる製品

市場からの反応を適切に得るためには、顧客自身が理解しやすい製品を提供する必要があります。MVPは「市場への試金石」として投入されることが一般的ですので、特に流行に敏感な層であるアーリー・アダプターのニーズをくみ取ることがマストになってきます。開発の初期段階からさまざまなニーズに対応する製品やサービスの提供を目指さないよう注意が必要です。

MVPをプロセスとして理解する

MVP開発は市場の反応を伺いながらブラッシュアップを重ねるアプローチです。そのため製品そのものよりも、最終的に提供する製品・サービスに進化させるための「プロセス」であると考えるほうがよいでしょう。また、はじめから完璧な製品を開発しようと思わないことも重要です。失敗する製品には「顧客にとって不要な機能が多すぎる」という要因も多くあるようです。

検証後のデータ分析

MVP開発によって市場の声をタイムリーに得られるようになるため、その声を忠実に反映させていくことも重要なポイントです。そのためにはなるべく開発側の主観を排除し、科学的な検証によって客観的な市場データを分析することが必要です。

リーンスタートアップとMVPの流れ

リーンスタートアップとMVPは、次のようなサイクルで成り立ちます。

まずはアイデアを明確な仮説とし、顧客ニーズに合わせた製品・サービスを開発します。その際にはなるべく時間やコストをかけず、無駄なく開発を行います。
次に仮説に基づいた顧客の反応を検証します。MVPによって生まれた製品やサービスを試してもらい、どの程度のユーザーが使用してくれるか、どこで離脱するかなどさまざまな指標を計測して管理しましょう。ここではより小さく・多いフィードバックと検証を行うことで、顧客ニーズに近いサービスが開発できます。
そしてそれらの検証結果をもとに、製品やサービスに改善を加えていきます。最初の仮説に対する正誤も認識しながら軌道修正を行い、必要に応じて大きな方向転換も検討しましょう。固定観念にとらわれるのではなく、顧客の声に柔軟な対応をしましょう。

このようなサイクルを続け、製品やサービスを徐々に完成させていきます。

リーンスタートアップの事例

Dropbox

簡単にオンラインで電子ファイルの保存や共有ができるDropbox。各デバイスのローカル環境に保存されたファイルは、他のプラットフォームやデバイスが起動されると自動で追加・更新され、常に最新の状態に保たれるツールです。ユーザーの声を聞きこのサービスには需要があると確信し、口コミとバイラルマーケティングを重視して開発を実施。機能を必要とするユーザーの集まる場所に記事を投稿し、認知を増やしてとにかく使ってもらうことでサービスが広がっていきました。
参照元:https://leanstartupjapan.co.jp/?p=173

グルーポン

クーポン共同サイト「グルーポン」は、創業直後に運営していた献金・ボランティアを手助けするサービスから始まります。オンライン上での協調行動がグルーポンの礎となっており、各種サービスの試験導入を重ねてユーザーにインパクトを与え続けています。
参照元:https://blogs.itmedia.co.jp/mikiya/2011/11/ipogroupon-04f2.html

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