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【アートDX】アート業界のDXにおける課題と解決策

「DX」とは、デジタル技術やデータを活用することにより、ビジネスや人々の生活をより良いものに変えていくことであり、さまざまな業界から注目されています。

現在のアート業界においては、ネット環境における模造品の横行や、コロナ禍による美術館への需要減少などさまざまな課題に直面している状況となっています。そこでこちらの記事では、アート業界におけるDXについて解説しています。DXを進めることによってどのようなメリットが得られるのか、また実際に導入している事例についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

アートDXが加速するNFTとは

最近アート業界で注目されているワードとして「NFT」があります。これは「Non-Fungible Token(ノンファンジブル・トークン)」の略であり、日本語では「非代替性トークン」と訳されます。これはブロックチェーン技術を利用したもので、簡単にいうと、「唯一無二のものである」という点を証明するための技術です。

アート業界においては、このNFTを利用してデジタルデータに唯一性を付与することで、アート作品特有の希少性を担保できるといったメリットがあります。

アート業界が抱える課題

ネット環境での模造品の横行

現在は、デジタルアート業界においても模造品の横行が非常に大きな問題となっています。このような状況への対策としては、上記でご紹介したNFTなどの技術を活用することにより、真正証明と所有権者の認証が可能となります。

コロナ禍における美術館などへの需要の減少

新型コロナウイルス蔓延の影響により、美術館やギャラリーにおいては休館を余儀なくされた期間があります。そして多くの人が外出を控えることによって美術館などへの需要減少が起こってしまった点も、アート業界の抱える課題のひとつといえます。この課題に対し、美術館などの所蔵品や展示スペースをインターネットで配信するサービスを提供しているケースもあります。

顧客との接点の変化

これまで、アートに触れるためには「美術館やギャラリーへ足を運ぶ」という選択肢しかなかったものが、近年ではさまざまな関わり方の選択肢が出てきています。例えば「アート作品のオーナー権の購入」も選択肢のひとつ。個人では手が届かないような高額の作品などについてもオーナーとなる権利を購入することによって作品の保有ができるといったように、顧客との接点にも変化が起こっています。

アート業界がDX推進で得られるもの

ネット活用による新規ファンの開拓

インターネットを活用することにより、これまでは美術館に足を運んだ経験がない人や、美術館やギャラリーは敷居が高いと感じていた人もアートに触れやすくなるため、新しいファンを開拓できるといった可能性があります。

NFTによる投資マネーの流入

デジタルアートにおいては、NFTと紐づけることによって所有と真贋を証明できる「一点もの」となります。このことにより美術品としての価値や投資対象としての価値が向上するため、投資マネーの流入が予想されるというわけです。

IT導入による美術館などの業務効率化

例えばWebでのチケット販売や、発券などをデジタル化することによって窓口での業務を削減可能です。さらに、ITを活用したチケット販売により、来館者のデータを自動で蓄積できるなど、さまざまな面において業務効率化を実現できます。

アート業界のDX事例

メトロポリタン美術館の館内案内アプリ

課題

150年の歴史を持つニューヨークのメトロポリタン美術館では、館内案内アプリ「The Met」の開発を行っています。もともと移行という名目でスタートしたプロジェクトだったものの、構想に合ったマッピング機能が実装できていないなど、さまざまな面で改善の余地があるといった状況でした。

実施内容

モンスターラボの北米拠点では、このアプリの開発プロジェクトに参画。同社では、まずは既存アプリに対するユーザーインタビューを実施し、課題などを見つけ出す作業を実施した結果、UXに大きな課題がある、ということを把握できました。

新たに開発されたAndroidアプリには、もともとiPhoneアプリに搭載されていた各種情報やチケット購入、会員向けコンテンツに、新たに館内マップ機能がプラスされています。

解決後の変化

リリースされたアプリは、ユーザーが欲しい情報がよく整理されている点、さらに運営側からも情報発信が容易になった点において高く評価されています。その後、メトロポリタン美術館では既存のiOSアプリの改修もモンスターラボに依頼しています。

参照元:株式会社モンスターラボ|美術館の公式アプリのUXを改善し、来場客の美術鑑賞体験を向上
(https://monstar-lab.com/cases/met/)

ギャラリーのための管理用クラウドサービス

課題

ギャラリーにおいては、コロナ禍の影響によって来場者数が大きく減った点、それに伴いアート作品の販売機会も失われてしまったことが大きな課題となっています。さらに、オンライン(EC)とオフライン(ギャラリー現地)の間で、在庫管理の連携が取れていないことといった点も課題として挙げられていました。

また、ギャラリー内の管理システムが統合されていない、スタッフ間の情報管理や共有がうまくできないなど、非常に多くの課題を抱えている状態でした。

実施内容

課題の解決に向けて、ArtX株式会社はギャラリーのための管理用クラウドサービス「ArtXCloud」を開発。こちらのサービスでは、作者や顧客などの管理や取引管理を行うなどギャラリーの運営において必要な機能を提供することができます。

解決後の変化

ArtXCloudでは、作品・顧客・取引管理の機能において取引が作成されると作品と顧客、アーティストが紐づくことで用意に管理できます。また、アート作品を作品データベースに登録することによってオンラインでの販売も可能になり、さらにオフラインと連動した在庫管理を行えるようになります。

このように、さまざまな機能を提供することにより、ギャラリー・お客さま双方でさまざまなメリットが得られています。

参照元:PRTIMES|アート業界のDXを目指す、ギャラリーのためのクラウドサービス「ArtXCloud」を提供開始
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000102510.html)

現代アート分野におけるDXを目指すサービス

課題

コロナ禍において、アート業界は大きな影響を受けたことから、国内外ではオンラインでの展覧会などさまざまな取り組みが行われています。さらに今後は、よりデジタル推移が進むと考えられており、ミューゼオ株式会社ではアート分野でのDXについてもさまざまな取り組みを行っています。

実施内容

ミューゼオ株式会社では、現代アート分野のコレクターとプライマリーギャラリーのための招待制デジタルサービス「CaM OVR」をリリース。このサービスにより、アートや文化分野におけるDX推進の支援を目指しています。こちらのサービスは、2019年にリリースされた「CaM by Muuseo」のオンラインビューイングルーム機能を刷新したものです。

解決後の変化

CaM OVRを使用することにより、ギャラリーがオンライン上で展覧会を開催してコレクターとの接点を増やせることに加え、デジタルアーカイブの形にすることによってコレクターが好きな時に展覧会の世界観を楽しめるようになります。さらに、さまざまな角度からの情報発信により、コレクターが実際のギャラリーを訪問するきっかけづくりを行っています。

参照元:@Press|現代アート分野のDXを目指すデジタルサービス 「CaM by Muuseo」  オンラインビューイング機能を刷新し 「CaM OVR」としてリリース
(https://www.atpress.ne.jp/news/263120)

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