「DX」とは、デジタル技術を活用することによって、ビジネスや私たちの生活をよりよく変化させることを指していますが、近年ではさまざまな業界でDX推進に注目が集まっています。
アパレル業界においては、近年のインターネットの広がりによりグローバル市場がライバルとなっていることなどさまざまな課題に直面しています。そこでこちらの記事では、アパレル業界におけるDXについて紹介。実際にこちらの業界でDXを導入している事例についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
レンタルユニフォーム事業において、サイズ申請はクライアント企業の自己申告で行われてきたことからサイズ違いが起こりやすい、という問題がありました。この問題により、返品や交換に大きな労力やコストが発生するといった状況でした。さらに、サイズ交換に備えて必要以上に在庫を抱える必要があったことから、廃棄品の発生により環境面においても課題を抱えていました。
ユニフォームを生産する前に正確なサイズを把握できる自動採寸アプリの開発を実施。マルチデバイス対応のPWAでの開発を行うことにより、コストを抑えた開発・運用が可能となっています。 さらにモンスターラボではオリジナルのAIエンジンの開発に成功。その上でクライアント提供の採寸データを用いた検証を繰り返し、AI画像認識の精度を高めていきました。
アプリケーションでは、対象者の背面・側面の写真と身長・年齢・体重・性別といった基本データから、適したサイズのフィードバックが可能となっています。さらに、大人数を撮影・管理する点を考慮したUIデザインをプラスすることにより、使いやすさも実現しています。
参照元:株式会社モンスターラボ|AIの画像認識を活用した自動採寸アプリを開発し、事業のコスト削減に貢献
(https://monstar-lab.com/cases/uni-mate/)
オーダースーツを提供しているFABRIC TOKYOは、オーダースーツに対する「敷居が高い」「長時間拘束された上に買わないといけない」「こだわりが強い特別な人が頼むものである」といったイメージを一新するために、独自のサービスを提供しています。
同社では、店舗で体のサイズの測定を行い、サイズデータをクラウドに保存するのみでカスタムオーダーを行えるシステムを導入。これまでのオーダースーツのイメージを一新するサービスです。
サイズの採寸は30〜60分で完了するため、長時間お店に拘束されることはありません。また、注文はインターネットで行うため、買わないと気まずい、とお客さまが感じる必要もなし。スーツが必要になった時にネットで注文するだけで、自分に合ったサイズのスーツが手に入るような仕組みになっています。
参照元:FABRIC TOKYO|FABRIC TOKYOのサービスについて
(https://fabric-tokyo.com/pages/about)
ユニクロのそれぞれの店舗にて会計待ちの列が長く、お客さまをお待たせしているという課題がありました。
上記の課題を解決するため、電波を用いてタグのID情報を非接触で読み取れるRFIDタグを導入しました。
RFIDタグの導入によりレジでの精算時間を短縮できること、出荷検品作業など倉庫での作業を大幅に軽減すること、そして棚卸しにかかる時間の短縮といったメリットがあります。さらに、RFIDの使用によって万引きを防止できるといった面もあります。
参照元:Agenda note|ユニクロの「レジ待ち行列」を解消したRFIDタグの威力
(https://agenda-note.com/retail/detail/id=1294&pno=0)
アパレル業界では1つの商品を生産する場合、企画・デザインの段階において多くの実物サンプルが製作されています。この段階では非常に多くの時間とコストがかかっており、さらに布地の廃棄処分も大量に発生しているといった課題がありました。
KDDIとKDDI総合研究所では、高精細な3DCGの衣服をバーチャルヒューマンに着せて確認できるシステムを開発。このシステムによりサンプルがなくても実寸大での商品確認が可能となります。
実寸大での商品確認が可能となることから、サンプル作成時の時間の短縮やコストの削減が可能です。さらに、商品イメージをリモートで共有できるといったメリットも得られます。
参照元:KDDI|5G、バーチャルヒューマンなどを活用したアパレル業界のDXを支援する取り組みを開始
(https://www.kddi-research.jp/topics/2021/091001.html)
近年はインターネットで洋服を購入するようになってきた、という方も多いのではないでしょうか。そのため、競合となるのは日本国内だけではなくグローバル市場も含まれることになります。
さらに、アパレル業界では消費者それぞれに合わせたマーケティング、すなわち「One to Oneマーケティング」が必要であるといった点もあります。顧客のニーズや好みなどを積極的に探ることによって、ひとりひとりに合わせた提案を行っていく必要があり、それぞれのスタッフの販売スキルに依存しているという部分も課題のひとつであるといえます。
DXを推進すると、在庫や人員データ管理を効率よく行えるようになります。クラウドサービスを使用すれば、さまざまなデータをすぐに共有できるため、本部や他店舗とのやりとりもスピーディーに行えるようになります。この点により業務の効率化や人的なコストの削減にも繋げられます。
「VMD」とは、お客さまにとって資格的に魅力を感じられる売り場づくりを指す言葉です。クラウドサービスの活用によって、本部と店舗間でスムーズに情報の共有ができるようになるため、VMDのスピードや質の向上が期待できます。
さらに店舗ごとに異なるVMDを実施し、それぞれのデータを活用することで効果の検証を行えるようになります。
DXの推進により、お客さまが持つより細かいニーズに応えられるようになる可能性もあります。例えば、リアルな店舗であれば他のスタッフが持つ接客やコーディネートの成功事例を共有することも容易になり、サービスの均一化も可能です。そのほか、オンラインの店舗でもそれぞれのお客さまに合った商品の提案などもできるようになるでしょう。
例えば、商品情報をタグなどで読み取る仕組みを取り入れることによって、非接触での対応が可能となります。このことにより、レジの無人化も可能となり、業務の効率化やコストの削減にもつなげられます。
DXによって、リアル店舗を持たずオンラインのみで完結させることも可能となります。オンラインでそれぞれのお客さまに合った提案を行ったり、顧客の行動分析を行うことにより新たなマーケティング施策などに活かすこともできます。
洋服を購入する時には必ず試着をする、という方も多いのではないでしょうか。店舗で見たイメージと実際に着用したイメージが時に大きく異なる場合もあることから、オンラインにおける試着なしの購入に対してハードルが高い、と感じている方も多くいるでしょう。この点がアパレル業界でDXが進まない理由のひとつといえます。
アパレルの販売員は、ひとりひとりのお客さまと丁寧にコミュニケーションをとりながら似合う服やアイテムを提案することが求められます。そのため、それぞれの販売スキルに左右される部分が大きいといえます。この部分はマニュアルにしにくい部分である点も、DXを進めにくい要因となっていると考えられます。
こちらのページでは、アパレル業界のDX推進に関する情報をご紹介してきました。さまざまなメリットがあることから、DXを進めたいと考える企業もあるでしょう。しかし、自社のみではDX化が難しいケースもあるかもしれません。その場合には、外部のコンサルティングの力を利用するのがおすすめです。
本サイトでは、さまざまなコンサルティング会社を紹介していますので、それぞれの特徴をチェックしてみてください。